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泉美木蘭
2019.8.12 08:01日々の出来事

初盆のおつとめ

実家で父の初盆のおつとめ。
家族全員、「字に自信がない」という理由で、過去帳が
ずっと新品まっさらのまま仏壇に飾ってあったのだけど、
先日やっと父の実家である島根県のお寺さんに記入して
いただいた。

過去帳の最後のほうに、
泉家は、もとはお寺の苗字だったのが、
父のお父さん(私のおじいちゃん)が、檀家さんの家を
継ぐために、住職を辞したあと、養子縁組をして「泉家」
になったという一連の説明が記されてあって、「へえ~」
と思いながら読んだ。

すると、母が横から入ってきて、
「なにそれ!? そんなこと書いてあるの!?」と。
母も弟も、すごくきっちりとした性格で、ありがたがって
表紙からそおっとめくり、父の法名や「南無阿弥陀仏」の
文字が書かれているところだけを見て、
またそおっと閉じて仏壇に戻していたらしい。

私はそういう性格じゃないので、蛇腹折りの過去帳を、
びろーーーーーんとバンドネオンのように開いて、
「わー広がるー」とか思っていたので、後半にも何かが
書いてあるのが目に入ったのだった。

「あんたは大胆というか、ブルドーザーというか、
何でもドサーーッとやらかす性格やでな。
やっぱり家族もいろんな性格の者がおらんと、
大事なものを見落とすことがあるんやなあ」

褒められたのかなんなのかちっともわからない。

弟夫婦は何年たっても仲良しで、まるで大学生の恋人同士
みたいなラブラブさなので驚く。
弟のお嫁さんは、もし夫の浮気が発覚したら、
すべて白状させて全貯金を差し押さえて懲らしめるという。
私は、もし浮気がバレたとしても、絶対に認めず自供せず、
どんな幼稚すぎる言い訳でも、必死で並べ立ててあわてて
否定する態度をとってもらったほうが、
その姿がバカバカしくて許せると思うほうなんだけど、
やっぱり妻としては、すべてを白日の下に晒し、検挙する
ことを希望するようだ。
私は、詳細をすべて聞かされたら、それが自分の記憶の中で
増幅増強するタイプだから、だめだ…。
そんな話をしている横で、弟が苦笑いしながらそーっとお茶
をすすっているのがおかしかった。

お嫁さんは読書家で、吉本騒動から「反社会勢力」について
興味を持ち、ヤクザに関する本を読んだらしい。
ヤクザが自警団の役割をしたり、花火大会を催したり、
地域や警察と共存していた時代のことをたくさん教えてくれて
面白かった。
母も含めて、うちではおおむね
「芸人は、契約云々の前に、おもろいか、おもろなくなって
消えるか、実力勝負のミズモノの世界やろ」
という意見が一致していた。

弟は、仕事が忙しいので、ほとんどテレビは見ておらず、
家ではAbema.TVとヤフーニュースで過ごしているらしい。
働き方改革で、休みをとらなければならなくなったけど、
休むためには業務を調整しなければならず、そのほうが
ずっと大変だと言っていた。
弟は38歳で主戦力になってきたし、仕事大好き人間だから、
うるさく縛られずにもっと働きたいのだと思う。

いろいろおしゃべりがあって、賑やかなお盆だった。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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